歯の豆知識– archive –
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秋の夜長を楽しみながら歯の健康も守るために
今回は、秋の夜長と歯の健康についてご紹介します。 秋といえば「食欲の秋」。日が暮れるのも早くなり、夜の時間が長く感じられるこの季節は、ついついおやつや甘いものに手が伸びてしまう方も多いのではないでしょうか。涼しく過ごしやすい気候の中で、温かい飲み物と一緒にお菓子を楽しむ時間は格別です。しかし、ここで気をつけたいのが「歯の健康」。おやつの取り方や選び方を間違えると、むし歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。せっかくの秋の夜長を健やかに楽しむためにも、歯を守る工夫を知っておきましょう。 秋の夜長におやつが増える理由 秋は1年の中でも特に「食欲が増す季節」と言われます。その理由は主に3つあります。 ・日照時間の減少日照時間が短くなると、幸... -
お茶やコーヒーで歯が黄ばむ理由と防ぐための習慣
今回は、お茶やコーヒーで歯が着色する原因と、そのメカニズムについてご紹介します。 朝のコーヒーや食後のお茶は、多くの人にとって欠かせない習慣です。しかし、これらの飲み物を日常的に摂取していると、だんだんと歯の色がくすんだり黄ばんだりしてくることがあります。これは単なる「汚れ」ではなく、飲み物に含まれる成分や口腔環境の変化が関係しています。 着色の主犯は「ステイン」 お茶やコーヒーによる着色の大きな原因は、ステインと呼ばれる着色汚れです。ステインは、飲み物や食べ物に含まれる色素やポリフェノールが、歯の表面に付着して沈着することで起こります。 また、コーヒーや紅茶、緑茶にはタンニンというポリフェノールの一種が豊富に含まれています。タンニ... -
乳歯のむし歯は永久歯に影響する?夏休み取り組みたい子どものむし歯予防
今回は、乳歯がむし歯になることでどのような影響があるのか、そしてむし歯になりにくいおやつの選び方や、定期検診の重要性についてもご紹介します。 「乳歯はそのうち抜けるから、むし歯になっても大丈夫でしょ?」と思っていませんか? 確かに乳歯は一生使う歯ではありませんが、実は乳歯の健康は、将来生えてくる永久歯の健康にも大きく関わっています。特に夏休みは、生活リズムが乱れやすく、甘いおやつや冷たいジュースを口にする機会も増える季節です。この時期こそ、お子さんの口腔環境を見直し、むし歯予防にしっかりと取り組む絶好のチャンスです。 乳歯のむし歯が永久歯に与える影響 乳歯は、永久歯が生えてくるまでの単なる仮の歯ではありません。乳歯には、次に生えてく... -
キシリトールって本当に歯にいいの?ガム選びのポイントを紹介
今回は、キシリトールのむし歯予防効果と、日常生活に取り入れるうえで気をつけたいガム選びのポイントについてご紹介します。 「キシリトール配合」と書かれたガムやタブレットを見かけたことはありませんか?むし歯予防に良い、歯にやさしいといったイメージが広く浸透している一方で、「本当に効果があるの?」「どれでもいいの?」といった疑問の声も耳にします。 キシリトールとは?天然の甘味料 キシリトールは、白樺やトウモロコシの芯などに含まれる「キシラン」という成分から作られる天然由来の甘味料です。砂糖と同程度の甘さがありながら、カロリーは約25%低く、糖尿病の方でも使用できる甘味料として世界中で利用されています。しかし、キシリトールの注目すべき特徴は甘... -
寝ている間が危ない?就寝中の口内環境の変化
今回は、寝ている間に起こる口腔内の変化やその原因についてご紹介します。 普段、私たちは起きている間に歯磨きをしたり、食事をしたり、会話をしたりと、口を活発に使っています。しかし、寝ている間はそういった活動が止まり、口の中の環境は大きく変化します。実は、就寝中こそ口内トラブルが起こりやすい時間帯であり、むし歯や歯周病、口臭などのリスクが高まってしまうのです。 就寝中に口内環境が悪化する理由とは? 眠っている間、口の中ではどのような変化が起きているのでしょうか?起きているときとは異なり、いくつかの要因が重なって口腔内が「トラブルの温床」となりやすい状態になります。 ・唾液の分泌量が激減する 唾液には「口の中を洗い流す」「細菌の繁殖を抑える... -
口の中の常在菌とは?意外と知らないお口の細菌バランスの話
今回は、口の中の常在菌についてご紹介します。 「菌」と聞くと、不潔なイメージや、病気の原因になる悪い存在という印象を持たれがちです。しかし実は、私たちの口の中には何百種類もの「常在菌」が存在しており、健康な口腔環境を保つうえで欠かせない役割を担っています。常在菌とはどのような存在であり、どのような働きがあるのでしょうか。 口の中には数百種類の菌がいる 人間の口の中には、およそ300〜700種類以上の細菌が生息しています。これらの菌は「常在菌」と呼ばれ、健康な状態でも口の中に存在しています。常在菌には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌が含まれています。悪玉菌が病気を引き起こす一方で、善玉菌は口腔内の環境を守り、日和見菌は状況によってどちらにもなり得... -
無意識に歯を痛めているかも?歯ぎしりが招くダメージとは
今回は、歯ぎしりの原因やリスク、対処法についてご紹介します。 現代社会では知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでしまう方が多く、その影響が思わぬ形で現れることがあります。その一つが歯ぎしり(ブラキシズム)です。「歯ぎしりなんて自分には関係ない」と思っていても、実際には多くの方が気づかないうちに歯をこすり合わせ、強い力をかけてしまっています。 歯ぎしりの原因と種類 歯ぎしりは、無意識のうちに上下の歯を強く噛み締めたり、すり合わせたりする動作のことです。最も多く見られるのは睡眠中に起こる「睡眠時ブラキシズム」ですが、日中、集中しているときや緊張しているときに歯を食いしばる「覚醒時ブラキシズム」もあります。 原因はさまざまですが、代表的... -
むし歯リスクを見逃さない!ペットボトル症候群と歯の関係
今回は、ペットボトル症候群とむし歯リスクの関係についてご紹介します。 これからの暑い季節、ペットボトル飲料を持ち歩いて日常的に飲む方も多いのではないでしょうか。特に、スポーツドリンクや清涼飲料水をこまめに飲んでいる方は、注意が必要です。これらの習慣が「ペットボトル症候群」と呼ばれる状態を引き起こし、全身の健康だけでなく、歯にも深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。 ペットボトル症候群とは?ペットボトル症候群とは、清涼飲料水やスポーツドリンクを習慣的に飲み続けることによって起こる「急性の糖尿病症状」を指します。特に夏場、喉が渇いたからと頻繁にペットボトル飲料を飲み、知らず知らずのうちに大量の糖分を摂取してしまうことで、血糖値が異常に... -
飲み物が原因で歯が溶ける「酸しょく症」とは
今回は、飲み物が原因となる酸しょく症についてご紹介します。 「健康のために毎日ビタミン飲料やお酢を飲んでいる」など意識の高い方こそ注意してほしいのが、「酸しょく症」という歯の疾患です。酸しょく症はむし歯とは異なる仕組みで、歯がダメージを受けてしまう病気です。甘くない飲み物でもリスクになることがあるため、知らず知らずのうちに歯を溶かしてしまっているかもしれません。 酸しょく症とは?むし歯との違い 酸しょく症とは、日常的に摂取する飲み物や食べ物に含まれる酸性成分によって、歯の表面が化学的に溶かされる状態のことです。むし歯も酸によって歯が溶けるという点では似ていますが、その仕組みには大きな違いがあります。 むし歯は、ミュータンス菌などのむ... -
何が違う?むし歯になりやすい人、なりにくい人
今回は、むし歯になりやすい人となりにくい人の違いについてご紹介します。 「しっかり歯を磨いているのに、なぜか毎回むし歯ができてしまう…」という方がいる一方で、特別なケアをしていなくても、ほとんどむし歯にならない人もいます。この違いは一体どこにあるのでしょうか? むし歯の原因は「細菌」「糖」「時間」の3つ まず、むし歯はミュータンス菌をはじめとする細菌が糖をエサにして酸を作り、その酸が歯を溶かす(脱灰)ことで発生します。つまり、むし歯ができるためには、主に以下の3要素が関わっています。 細菌(プラーク):口の中に常在するむし歯菌 糖分:食べ物・飲み物に含まれる糖質 時間:糖分が口の中にある時間、プラークがついたままの時間 これらのバランスが...
