今回は、歯科医院におけるPCR検査についてご紹介します。
歯磨き指導などで、歯科衛生士からPCR値についての話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。PCR検査とはどのようなもので、その値は何を意味するのでしょうか。
コロナ禍でよく聞いたPCR検査と同じもの?
コロナ禍でよく聞くようになった「PCR検査」は、歯科医院で行われるPCR検査とは全くの別物です。新型コロナウイルスの診断に使われる検査は「ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)」を略してPCR検査と呼んでいます。この検査では、微量のウイルスの遺伝子を増幅して検出させる検査方法です。少ないウイルス量でも迅速に精度の高い検査ができることが特徴です。
歯科におけるPCR検査とは
歯科におけるPCR検査は「プラークコントロールレコード(Plaque Control Record)」の略です。専用の染め出し液で細菌の塊であるプラークを赤く染め出し、プラークがどの程度歯に付着しているかを数値化したものです。この数値がお口の中の清掃状態の指標となります。
PCR値の計算方法
1本の歯を4面に分け、それぞれの箇所の歯と歯ぐきの境目が染め出し液で赤く染まっているかを目視でチェックし、専用の用紙に記録していきます。そして、その記録をもとにPCR値を計算します。全歯面を100%としたときに「何%の歯面にプラークがついているか」がPCR値です。つまり、
【染まった歯の面数÷全歯面数×100(%)】
により求められた数値がPCR値になります。
PCR値の目安
一般的な臨床では、PCR値の目標値は20%以下です。過去の研究により、PCR値が20%程度であれば歯ぐきの状態が健康で安定していたこと、30%程度になると歯ぐきが腫れやすい状態になっていたことなどが根拠となり、この基準になったと言われています。とはいえ、実際に計ってみるとPCR値が50%以上の方が多いのが現状です。歯ブラシで磨くだけでは20%を切るのは難しく、歯間ブラシやデンタルフロスを使わないと目標である20%に到達することは難しいでしょう。
まとめ
今回は、歯科医院におけるPCR検査についてご紹介しました。むし歯や歯周病を予防し、進行させないためにも、一つの目安としてPCR検査を活用してみましょう。
当院では、患者様お一人おひとりのお口の中の状態に合わせて最適な治療方法をご提案いたします。
お気軽にかけまちコミュニティー歯科までご相談ください。