子どもの歯並び(矯正歯科)
子どもが健やかに育つためには、「食べる」「話す」という最も基本的な社会的機能の発達が必要です。そしてその能力は、周囲からの刺激によって発達します。
どんな食生活を送っているか、成長に影響するクセはないか、鼻で呼吸ができているか、姿勢が悪くないか。実は歯ならびよりも先にこのような問題に目を向ける必要があります。
近頃は、柔らかい物を食べる事が多くなりました。幼少期からスマホに接する機会が増えたりと、昔と比べ私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。どちらかというと刺激が減り、機能発達や運動能力向上にとって不利な条件が増えてきているように思います。せっかく親から授かったキレイな歯でも、土台となる顎が十分に発育していなければ、うまく咬み合わず歯ならびもガタガタになってしまいます。
小学校入学前後の時期は、顎の成長にとっても大事な時期です。この期間は乳歯の時期~乳歯から永久歯に生え変わり始める「混合歯列期」と呼ばれる、顎の発育が旺盛な期間です。この時期の成長をうまく誘導することにより、予防的な矯正治療を行うことができます。
お子様の
こんな症状気になりませんか?
歯並びが悪い
受け口が気になる
すきっ歯を治したい
出っ歯で悩んでいる
噛み合わせが悪い
噛み合わせが深い
子供の歯並びは、遺伝的要因やむし歯、口腔習慣などによって悪化する可能性があります。歯列の不正確性があると、歯ブラシが届きにくくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。また、受け口や出っ歯の場合、上下の唇が適切に閉じにくくなることにも留意が必要です。
メリット
①抜歯せずに治療ができる可能性が高くなる
発育期のお子さんの場合、顎の成長や発育を誘導することにより土台となる顎骨を広げたり、位置関係をコントロールすることができます。このことにより、歯を抜くことなく矯正治療が可能になります。
②後もどりが少ない
身体は昔の状態を覚えていて、もとに戻ろうとする習性があります。ですから、大人の歯が生えてくる段階で最初から良い位置に生やしてあげれば、後戻りはしにくくなります。
③装置は取り外しできるものがメイン
小児矯正では、マウスピースのような装置をメインで使います。こちらは、歯にペタペタ貼り付けるハリガネの装置とは違い、簡単に外すことができます。痛みが少なく、むし歯のリスクもありません。
デメリット
①治療期間や観察期間が長い
個人差は存在しますが、歯の生え変わりや成長によって治療期間や観察期間が延長されることがあり、それに伴って通院期間も長くなる可能性があるため、慎重に考慮する必要があります。
②お子さんのストレスになりかねない
やりたくないことを強制されていると感じる子供もいるため、不快な感じがする矯正装置を使用する際には注意が必要です。矯正治療を始める前に、子供にしっかりと説明し、治療の内容を理解してもらうことが理想的です。
③多少の痛みが伴う
痛みの感じ方は個人によって異なりますが、歯が動くときに痛みを感じやすいことがあります。(そのために治療をやめるほどではありません)
④稀に併発症を起こすことがある
稀に金属アレルギー、口内炎、顎関節症状などが起こることがあります。
治療の流れ
①
矯正治療のご案内
現時点での心配事などをお聞きします。
②
資料採得
レントゲン写真や歯型を取ります。
③
ご説明
資料を分析し、結果と治療内容をお話しします。
④
治療開始
分析内容をもとに、ご提案の順番通りに治療を行います。
使用する装置
お子さんの歯並びの状況や歯の生え変わりの時期によって、矯正装置も様々です。お子さんの歯並び・咬み合わせの現状と、向き不向きなど考え治療をしていきます。
使用する代表的な装置
拡大・咬合誘導装置を使っています
見た目も大切ですが「しっかり噛めること」はお子さんの健康を考える上で、とても重要です。歯並びで気になることがありましたら、まずはお早めにご相談ください。
治療期間と費用
すべての歯が永久歯に生え変わり終わる時期(12歳くらい)までが、一つの目安です。その後は大人と同じように定期検診で、成長を追いながら後もどりがないか、チェックしていきます。
●矯正相談 無料
●検査診断料 55,000円
●小児矯正 450,000〜550,000円
治療回数 1〜2ケ月に1回
治療期間 永久歯が生え揃うまで
●成人矯正 900,000〜1,000,000円
治療回数 1〜3ケ月に1回
治療期間 2〜3年
※税込
矯正歯科Q&A
- 治療を開始する時期はいつがいいですか?
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矯正治療は、歯と歯肉が健康な場合、年齢に関係なく開始できます。前歯が生え替わる6〜8歳が一般的ですが、永久歯が生え揃った後に治療を開始することもあります。ただし、年齢による制約もあるため、早めに相談することをお勧めします。
- 矯正装置によって発音しづらくなりますか?
-
歯の矯正装置を初めてつけた際、歯の表側または裏側どちらでも不快感が生じ、しばらくの間発音が難しくなることがあります。時間と共に慣れていくと、発音も通常通りに戻ることが一般的です。
- 矯正治療中の食事はどうすればよいですか?
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最初に矯正装置を装着した際、しばらくの間痛みが続きますが、その後徐々に軽減し、食事を柔らかくすることで食べることが可能になります。非常に硬い食べ物を除いて、通常の食事がすぐにできるようになります。
- 矯正治療中痛みはありますか?
-
できるだけ痛みを感じさせないために、弱い力を加えていますが、時折痛みや歯が浮くような感覚があります。通常、痛みの程度や持続時間は個人によって異なりますが、子供の場合は約3日間、成人の場合は約1週間ほど痛みが持続します。その後、痛みは徐々に軽減し、食事も可能になります。