
インプラントについて

インプラントとは、チタン製の人工歯根を、顎の骨の中に埋入して、しっかり固まってから上に土台と被せ物を装着する方法です。

メリット
①残っている他の歯に負担をかけずに歯を入れられる
ブリッジのように隣の歯を削って支えにしたり、入れ歯のようにバネを引っ掛けたりすることなく機能を回復することができます。
②審美的に優れている
入れ歯のようにバネが必要ありませんので、見た目にも優れています。
③安定性が高い
天然歯と同様に骨に直接支えられているため、安定してしっかりと咬むことができます。

デメリット
①手術が必要
骨にインプラントを植えるための手術が必要になります。他に全身的なご病気を持ってらっしゃると処置できない場合があります。
③治療期間が長い
手術後、骨とチタンがくっつくのを待つ期間が必要となります。最終的に被せ物が入るまで数ヶ月という比較的長い治療期間を要します。
③費用が高い
保険適用外の治療法となるため、費用が高額です。
④稀に併発症を起こすことがある
稀に知覚異常、内出血、上顎洞炎(上顎の場合)、副鼻腔炎などの併発症を起こすことがあります。

治療の流れ

1、検査と治療計画
口腔内検査、CT、模型作成、治療計画立案など

2、サージカルステント作成
あらかじめPCでシミュレーションした最適な位置に、インプラントを埋入するための道しるべとなる装置です。1次手術を安全かつ的確に行うために必要になります。

3、1次手術
顎の骨にインプラント体を埋入します。骨が少なかったり、難しいケースの場合は骨造成など追加の手技を行う場合もあります。

4、治療期間
骨とインプラントがくっつくまでの期間を待ちます。通常2〜4ケ月ほどで、その間は仮歯が使用できる場合もあります。

5、2次手術
インプラントが安定したら、頭の部分を出してアバットメントと呼ばれる土台を立てます。

6、上部構造作成
アバットメントを装着してから2週間程度、歯茎が落ち着くのを待ちます。その後、型取りをして上部構造(人工の歯)を入れます。この上部構造の材質にはいくつか種類がありますので、部位や状況によって選んでいきます。

7、メンテナンス
術後もご自身の歯と同様によくお手入れをしてください。インプラント部は柔らかめのブラシを使用していただくと良いです。長く使っていただくためには、定期的な検診がとても大事になってきます。

インプラントの選択基準
インプラントがヒトに臨床応用されるようになってから、実はもう50年以上経ちます。時の試練を経て、その中で飛躍的に成功率を向上させ、世界的に評価されてきました。『今』だけでなく『一生』を視野に入れた治療計画では、インプラントが患者さんにとって最良の選択である場合も多々ありますので、一つの選択肢として検討する価値は充分あると考えます。

料金
●1本440,000円
(診査診断~最後の被せ物セットまで)
以下は必要な場合ご提案します。
●サージカルガイド 55,000円
●ソケットリフト 550,000円
●抜歯即時埋入 55,000円
※税込
・治療回数 4回〜10回
・治療期間 3ケ月〜半年

インプラントQ&A
- どういう人がインプラントが必要ですか?
-
インプラントとは歯を根ごとなくしてしまった部分に対して行う治療なので、1本でも歯をなくした方はインプラント治療の対象者です。 ですがもちろん全員が選択されるわけではありません。
インプラントを選ばれる方は主に
●入れ歯にどうしても慣れることができない方
●ブリッジや入れ歯など、土台となる歯に負担をかけたくない方
●よりしっかりと咬めるようになりたい方
●見た目を重視される方 ・生まれつき大人の歯の本数が少ない方
●外傷などで若くして数本の歯を失ってしまった方
●総入れ歯がどうしても安定しない方
などです。 - 歯茎にネジのようなものを埋め込むことだと思いますが、とても痛そうで想像がつきません。大丈夫でしょうか?
-
大丈夫です。痛みに対してはしっかり麻酔を効かせてから処置を行いますので心配は要りません。手術後、麻酔が切れると鈍い痛みが出ますが、痛み止めで十分コントロールすることができるくらいですのでご安心ください。
- 食事の際など噛み合わせの感覚に違和感はありますか?
-
ほとんどございません。入れ歯の場合、咬む力がどうしてもご自身の歯の半分以下になってしまうと言われています。柔らかい歯肉で支えているので、それだけ力が入りにくく力も伝わりにくいということです。インプラントは天然歯と同様に骨で支えられておりますので、しっかり咬めますし、他の歯や歯肉に負担もかけません。

ブリッジについて

文字通り、歯を無くしてしまったところに『橋』を掛ける形で補う方法で、昔からある治療法です。入れ歯との違いは、セメントでくっつけてしまうため、自分で取り外すことができない点です。入れ歯と比べて違和感は少ないですが、ブリッジの下の部分が磨きにくいです。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシなどを上手に使っていただく必要があります。一番奥の歯まで無い場合は、橋を渡せないのでブリッジを入れることができません。また、土台の歯がグラグラしていたりしても難しいでしょう。
ブリッジは基本的に1、2本の少ない欠損を補う方法です。多くの欠損を補おうと長いブリッジを入れた場合、金属とはいえ『たわみ』が大きくなり、長持ちしにくい傾向にあります。3本以上歯を無くしたところに掛けるブリッジには、少し慎重になった方がいい場合があります。一番のデメリットは、土台となる歯をたくさん削らないといけないことです。削って歯の量が減るということは、それだけ歯の寿命が縮まるということです。人生を長い目で見たときに、振り返っても後悔しないような治療方法を一緒に考えていけたらと思います。

メリット
①ご自身で取り外しができないので、入れ歯に比べ違和感が少ない
②保険治療の対象である

デメリット
①土台となる両隣の歯を削らなければならない
②土台となる歯への負担が大きくなる
③磨きにくいところができるため、不衛生になりやすい
④多くの欠損や、一番奥の歯まで無い場合を補うには不向き

ブリッジQ&A
- 食事の際など噛み合わせの感覚に違和感はありますか?
-
長さの短いブリッジなら、ほとんどありません。ただし、構造上どうしてもダミーの歯の下は磨きにくく、モノが溜まりやすいので清掃はしっかり行っていただく必要があります。
- 何年くらい持ちますか?
-
おおよそ5~10年くらいと言われています。もちろん10年以上持つこともありますし、逆に2、3年で脱落する場合もあります。使用する材質やブリッジの適合精度、ケアの良し悪しも持ちを左右するので、なるべくしっかりとした工程を踏んで作成し、装着後は定期的なチェックを怠らないことが長持ちさせるためには重要です。
- 保険治療の対象内は銀歯になるのですか?
-
保険適用の範囲で使用できる金属は銀のみになります。保険の銀歯でも、前歯は表側に白いプラスチックを貼って白く見せることができます。ブリッジの場合は条件が揃えば4番目の歯まで、表面に白いプラスチックを貼ることができます。わかりづらいと思いますので、ご不明な点はいつでもご相談ください。

入れ歯について

ご自身で取り外しのできる歯です。
入れ歯には『部分入れ歯』と『総入れ歯』があります。比較的広い範囲で歯がなくなってしまった場合に用いられることが多いので、基本的にはお口の左右にまたがる大きい構造になります。
入れ歯の種類
部分入れ歯

1本でもご自身の歯が残っていれば『部分入れ歯』になります。残っている歯に金属の『バネ』をかけて安定させます。部分入れ歯の1番大事な目的は、実は『残っている歯を守る』ことです。『モノを咬めるようにする』役割もありますが、それだけではないということです。歯をなくしたまま放置すると、様々なトラブルが起こることを前のページでご説明しました。部分入れ歯で、なくした歯を補うことによって歯の移動を防ぎ、咬み合わせの調和を取り戻し、状態の悪化を未然に防ぎます。初めて使用するときはどうしても違和感が強いですが、そこで使用をやめてしまうと歯の移動によってすぐに入れ歯が入らなくなってしまいますので、本来の目的を果たせなくなります。
入れ歯は入れて終わりではなく、そこからが本当のスタートです。少しでも快適に使用していただけるように、精密に作成させていただきます。
総入れ歯

残念ながら『バネ』をかける歯がなくなってしまうと『総入れ歯』になります。総入れ歯は、歯茎にぴったり合うことによって吸盤の作用で安定します。ですので、一箇所でも空気が漏れるところがあると途端にゆるくなってしまいます。 長く使用していくと入れ歯の咬む面がすり減ってしまったり、歯茎の形の変化によって、空気が漏れやすくなる場合があります。市販の安定剤も上手に使うと効果的です。しかし安定剤も、原因に対する処置をせずにご自身の判断だけで使い続けた場合、その場しのぎになり歯茎が痩せるのを助長させる原因になることもあります。調子がイマイチになってきたと感じた時は、一度診せていただけると何か良いアドバイスができるかと思います。


メリット
①手術の必要がない
②幅広い症例に適用可能
③取り外しができるので、清掃がしやすい
④保険治療の対象である

デメリット
①違和感が強い
②部分入れ歯はバネのかかる歯への負担が大きくなる
③モノを咬む能率(咀嚼能率)が低い
④食事中、スキ間に食べたモノが入り込むことがある
⑤部分入れ歯はバネが見えるので見た目が悪い
⑥歯茎が痩せたり、バネが緩むとガタつく

総入れ歯と自費入れ歯
ここでは保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いについてご説明します
。
1、入れ歯作成にかけられる時間の違い
本来、入れ歯作成には多くの手間と時間がかかります。作成工程も複雑です。ところが現状として、これは国の定めた保険の診療報酬だけでは、到底まかなえるものではありません。保険義歯だからと言って手を抜くようなことはしません。むしろ工夫を凝らして最善を尽くします。しかし保険の枠の中での最善となるので、制限のない自費義歯の最善と比べると、適合性や耐久性、審美性などすべての点において比較にならないほど見劣りしてしまいます。
2、入れ歯の設計の違い
残っている歯の状態は、患者様一人一人で千差万別です。形や歯種、生えている方向やぐらつき、神経の有無や治療の形跡など、ひつつとして同じ状態はありません。保険義歯には、製作に一定のルールがあります。その制約の中で作られる入れ歯は、ある程度パターン化されてしまいます。例えば、残った歯にかけられるバネの本数や形状、部位、材質が限られます。すると本当の意味でその方に適合した入れ歯にはなりにくいので、残った歯を痛めたり、痛くて使えなかったり、数ヶ月~2年ほどで作り直さなければならなくなる、というリスクが付きまといます。
3、使用できる技術と材料の違い
自費義歯は使用できる材料に保険の制約がありません。製作に時間もかけられるため、新しい技術も使えます。バネを見えにくくする技術や、薄くても強度のある材料を用いて違和感を軽くしたりなどもその一つです。

料金
●金属床 片顎 330,000円
・治療回数 2〜6回
・治療期間 1〜3ケ月

入れ歯Q&A
- 寝る時はどうしたらいいですか?
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基本は外して寝てください。支えている歯肉を休ませることも重要です。外している間、入れ歯は水につけておいてください。乾燥すると、ひび割れや変形の原因となります。例外として残っている歯を守る目的で、こちらから入れ歯を装着したまま寝ることをお勧めすることもあります。そのようなとき以外は外して寝ていただけるといいと思います。
- 治療期間はどれくらいかかりますか?
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個人差がありますが、作成には大体1ヶ月~2ヶ月くらいかかります。ただし、入れ歯は実際に使用を始めてからが本当の治療期間となります。残っている歯の状態が良好で、咬み合わせも安定していれば比較的短期間でなじんでいきます。入れ歯が大きかったり、顎の関節が緩い、もしくは痛んでいたりすると入れ歯を入れながら咬むことのリハビリを行いますので、使いこなすまでに時間がかかる場合があります。焦らずに、少しずつならしていくことが大事です。
- どれくらい持ちますか?
-
残っているご自身の歯の状態と、入れ歯作成にかけられる手間に左右されます。ご自身の歯が弱っている場合は、1、2年くらいで新しく作り変えないといけなくなることがあります。逆にしっかりとした工程を踏み作成された入れ歯は、長く使っていただくことが可能になります。入れ歯は精密器具なので、定期的なメンテナンスも長持ちさせるためには必要なことです。