歯科治療における局所麻酔

今回は、歯科治療における局所麻酔についてお話しします。

歯科治療を受ける際に、痛みに対して不安を感じる方はたくさんいらっしゃるかと思います。治療での痛みを軽減するために欠かせないものが、局所麻酔です。

 

局所麻酔とは

治療を行う箇所に麻酔薬を作用させ、一時的に感覚を消失させることで痛みを軽減する方法を「局所麻酔」といいます。歯科治療で一般的に行われる方法です。局所麻酔は、「表面麻酔」「湿潤麻酔」「伝達麻酔」の3種類に分類されます。

 

・表面麻酔

麻酔薬を歯ぐきの表面に塗って数分おくことで、その部分の感覚を麻痺させる方法です。歯そのものに麻酔を効かせるのではなく、湿潤麻酔や伝達麻酔の処置を行う際の注射針の痛みを軽減することを目的としています。麻酔の効果があるのは10分程度です。

 

・湿潤麻酔

治療をする際に痛みを軽減させたい部分の歯ぐきに麻酔薬を注射し、骨にまで浸透させます。歯科治療における麻酔と聞いて多くの方がイメージする注射での麻酔が、この湿潤麻酔です。注射針は細いものを使用し、麻酔薬の温度管理を人肌程度(37度前後)にあたためておくことで、麻酔処置時の痛みを軽減できることもあります。麻酔の効果があるのは1~3時間程度です。

 

・伝達麻酔

麻酔が効きづらい場所や、舌や唇を含めた広い範囲に麻酔を効かせたいときに、神経が下顎骨に入る手前の箇所に麻酔薬を作用させます。下の奥歯のむし歯を治療するときや、親知らずの抜歯をするときに用いられる方法です。麻酔の効果があるのは3~6時間程度です。

 

局所麻酔を行うのはどのようなとき?

歯科治療において麻酔を使うのは、以下のような場面が挙げられます。

 

・むし歯の治療

・歯の神経の治療

・抜歯

・歯周ポケットの深い箇所の歯石除去

・インプラント治療

 

局所麻酔の副作用やリスク

歯科治療の際に使われる局所麻酔薬が原因となって起こる重度のアレルギー(アナフィラキシーショック)の発生頻度は極めて低いとされています。局所麻酔の処置をした直後に気分が悪くなることも稀にありますが、多くはアレルギーではなく、局所麻酔字の血管迷走神経反射や針を刺したときの痛みや恐怖心によるものと考えられています。副作用として悪心、吐き気などが起こることもありますが、横になって休むことで症状が改善することがほとんどです。過去に麻酔で強い副作用が出た経験のある方は、治療前に担当歯科医師までお申し出ください。

 

また、局所麻酔薬に含まれるアドレナリン(血管収縮剤)の影響で血圧上昇や動悸が起こる場合もあります。高血圧や心臓疾患をお持ちの方にはアドレナリンを含まない麻酔薬を使用することもできますので、この場合は事前に担当歯科医師までお申し出ください。

 

局所麻酔後の食事についての注意点

歯科治療で麻酔を行った場合、麻酔の効果がきれるまでには時間がかかります。麻酔が効いている間はお口の中の粘膜や唇の感覚がなく、誤って噛んでしまう可能性があるため、飲食はお控えいただいております。また、麻酔がきれてきたころに食事をする場合も、熱いものや辛いものなど刺激の強い食べ物は避けましょう。

 

まとめ

今回は、歯科治療における局所麻酔についてお話ししました。歯科治療で痛みが不安な場合も、局所麻酔の処置で痛みを軽減することができます。麻酔の効き方には個人差がありますが、なるべく痛みを軽減できるような処置をいたしますので、ご不明点やご不安な点があれば担当歯科医師まで遠慮なくお話しください。

 

当院では、患者様お一人おひとりのお口の中の状態に合わせて最適な治療方法をご提案いたします。

お気軽にかけまちコミュニティー歯科までご相談ください。

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