唾液の働きや唾液を増やす方法を知ろう

今回は、唾液の働きや増やすための方法についてお話しします。

唾液は口の中を湿らせるだけではなく、お口や全身の健康に関わる様々な働きをもっています。そして、唾液の量を減らさないことが、病気のリスクから体を守るために大切です。

 

唾液のしくみ

唾液は、お口の中の唾液腺から分泌されています。成人の1日あたりの唾液分泌量は1~1.5リットルです。唾液の分泌量は1日の中でも変動があり、特に就寝中は日中よりも分泌量が低下する傾向にあります。また、加齢やストレス、薬の副作用などの要因で分泌量が低下することもあります。加齢が原因で唾液分泌量が低下した場合、70代ではピーク時の3割ほどしか分泌されないとも言われています。

 

唾液がもつ働き

唾液は様々な働きをもち、私たちの体の健康を支えています。

 

・湿潤作用

唾液がお口の中の粘膜や舌、唇、歯などを覆うことで動きを滑らかにし、刺激や摩擦から守ります。また、お口の中が潤うことによって食事や会話がスムーズに行えます。

 

・自浄作用

唾液は適度な粘性をもつため、口の中の細菌や歯の表面についた食べかすなどを洗い流すことができます。特に、食事中によく噛むことでこの働きは活発になり、むし歯や歯周病を予防することに繋がります。

 

・緩衝作用

唾液に含まれる成分が、お口の中のpHが酸性・アルカリ性のどちらかに著しく偏らないように調節します。むし歯原因菌が産出する酸がエナメル質を脱灰させることによってむし歯は生じますが、唾液が酸性に傾いたお口の中のpHを中性に戻そうとすることでお口の中のpHが安定し、歯が脱灰することを防ぎます。

 

・再石灰化作用

歯のエナメル質はお口の中の酸により脱灰しますが、再石灰化により溶けかかったエナメル質が修復されます。唾液に含まれるカルシウムイオン、リン酸イオンなどがエナメル質の再石灰化を促進し、むし歯の予防に繋がります。

 

・抗菌作用

リゾチームや免疫グロブリン、ラクトフェリンなどの成分は抗菌作用をもち、お口の中の細菌の活動を抑制します。細菌の増殖も防いでくれるので、様々な細菌やウイルスから全身の健康を守ります。

 

・消化作用

唾液に含まれるアミラーゼという酵素が炭水化物のでんぷん質を糖に分解します。これにより、胃腸で消化する際の負担を軽くすることができます。

 

唾液の分泌量を増やすために

では、唾液の分泌量を増やすためには、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。

 

・水分補給をする

唾液の99%以上は水分からできているため、のどの渇きを感じる前に積極的に水分補給をしましょう。

 

・よく噛んで食べる

よく噛むことで、唾液を分泌する唾液腺が刺激されます。回数を重ねて噛むことは満腹中枢を刺激することにも繋がるため、食べすぎ防止にも効果的です。

 

・「あいうべ体操」や「唾液腺マッサージ」をする

舌を動かす「あいうべ体操」をすると、舌下腺や顎下線が刺激され、唾液の分泌を促進します。口を大きく動かして「あ」「い」「う」「べ」の発音をしてみましょう。また、唾液を分泌する大唾液腺には、耳下腺、舌下腺、顎下腺があります。これらの唾液腺をマッサージして、刺激を与えることも効果的です。

 

【耳下腺】

親指以外の4本の指を頬にあて、上の奥歯のあたりを後ろから前に向かってゆっくりと10回ほど押すように回します。

【舌下腺】

両手の親指を顎の真下にあて、上に突き上げるようにゆっくりと10回ほど押します。

【顎下腺】

両手の親指を顎の下の骨の内側(柔らかい部分)にあて、顎の下から耳の下まで少しずつ指をずらしながら1箇所につき5回ほどゆっくり押していきます。

 

まとめ

今回は、唾液の働きや増やすための方法についてお話ししました。唾液の分泌量を増やすことは、唾液のもつ様々な働きを最大限発揮させ、全身の健康を守ることに繋がります。

 

当院では、患者様お一人おひとりのお口の中の状態に合わせて最適な治療方法をご提案いたします。

お気軽にかけまちコミュニティー歯科までご相談ください。

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