今回は、歯周病のセルフチェックについてお話しします。
歯周病は、「世界で最も一般に蔓延している感染症」とギネス認定されているほどに罹患者の多いお口の病気であり、日本においても歯を失う原因で最も多いのが歯周病です。
歯周病は「静かなる〇〇〇」
歯周病は、歯周病原菌により歯ぐきが腫れる、出血する、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けなどの症状が起こる炎症性疾患です。45歳以上の過半数が歯周病に罹患しているという調査報告もあるほどに私たちの身近にある病気ですが、なぜここまで罹患者数が多いかには理由があります。歯周病は「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」といわれるほどに初期段階の自覚症状がなく、気づいたときには症状が進んでいるからです。
歯周病の進行は4段階
歯周病は、その症状により4つの段階に分けられます。歯ぐきだけに炎症が起きている「歯肉炎」にはじまり、歯を支える骨が破壊されはじめると「軽度歯周炎」「中等度歯周炎」「重度歯周炎」と進行していくのです。本来の健康な歯ぐきは、ピンク色をしていて適度な弾力を感じる程度に引き締まっており、歯磨きをして出血することもありません。しかし、歯周病の原因であるプラーク(歯垢)がたまった状態が続くと、プラークの中の細菌が炎症を起こして、歯ぐきが腫れる、出血するなどの症状が出るようになります。歯を支えている歯槽骨にまで影響が及ぶと、歯がぐらぐらと動揺するようになり、最終的には抜歯をしなければならないケースもあるのです。このように、歯周病は症状が進行するほど治療も困難になるため、できるだけ早い段階で歯周病の存在に気づき、対処することが非常に大切です。
今日からできる歯ぐきのセルフチェック
歯を磨くとき、歯は見ていても歯ぐきまで見ている方は意外と少ないのではないでしょうか。歯ぐきの状態も毎日セルフチェックすることで、小さな変化にも気づくことができます。今回ご紹介するセルフチェックは、特別な道具なども必要ありません。ご自身の歯ぐきをよく観察してみましょう。
・歯ぐきの赤く腫れている
・口臭が気になる
・歯ぐきがやせてきたように感じる
・歯と歯の間にものがつまりやすい
・歯磨きをした後、歯ブラシに血がついたり、すすいだ水に血が滲んでいる
・歯と歯の間の歯ぐきがぶよぶよしている
・歯が浮いたような感じがする
・指で触ると歯がぐらぐらする
・歯ぐきから膿が出ている
(8020推進財団の資料より抜粋)
チェックが3~5個の場合は、初期あるいは中等度歯周炎以上に歯周病が進行しているおそれがあります。早期の治療が必要なため、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
チェックが1~2個の場合は、初期の歯周病の可能性があります。歯磨きの方法を見直すとともに、歯科医院を受診して歯ぐきの状態や歯の磨き方をチェックしてもらいましょう。
チェックが1つもない場合は、引き続き毎日の丁寧な歯磨きを続け、定期的な歯科検診を欠かさないようにしましょう。
まとめ
今回は、歯周病のセルフチェックについてお話ししました。歯周病を予防するためには毎日の丁寧な歯磨きとともに、定期的な歯科検診でお口の中の状態を知り、必要なメンテナンスをすることが何よりも大切です。
当院では、患者様お一人おひとりのお口の中の状態に合わせて最適な治療方法をご提案いたします。
お気軽にかけまちコミュニティー歯科までご相談ください。