今回は、歯を失った場合に歯を補う治療をしたほうがよい理由と治療方法についてお話しします。
むし歯や歯周病、外傷など、何等かの理由で歯を失ってしまった場合に、1本くらい歯がなくても生活に支障がないから…とそのままにしてしまっていることはありませんか?たった1本、されど1本。歯を失った箇所を治療せず放置してしまうと、様々な影響が出てしまうことがあります。
歯の喪失が及ぼす影響とは
失った歯が1本であっても、その1本が見た目や噛み合わせに様々な影響を及ぼすことがあります。
・歯の機能が失われる
歯を失った箇所をそのままにしておくと、その空いたスペースを埋めようと、残った歯が少しずつ動き出します。両隣の歯が傾斜してきたり、上下で噛み合っていたはずの歯が伸びてくることにより噛み合わせが崩れていくのです。歯にも1本1本に役割があり、それぞれが機能することでお口全体の機能や健康が守られています。このバランスが崩れてしまうと、食事の際にきちんと物が噛めなくなるだけでなく、他の歯に負担がかかり歯の寿命を縮めたり、顎関節にも負担がかかり影響が及ぶことにもなりかねません。
・見た目の変化
歯を失った箇所によっては、見た目に大きな影響を及ぼします。人前で口を開けるのが億劫になったり、思い切り笑えないなど、コミュニケーションに自信がもてなくなる可能性もあります。また、失った歯が外側からは目立たない奥歯であっても、頬がこけて見えたり顎がたるんで老けた印象に見えてしまうなどの影響が出る方もいらっしゃいます。
・日常生活や全身への影響
噛み合わせのバランスが崩れることにより、発音や滑舌が変化する場合もあります。特に、「サ行」「ハ行」「ラ行」などは歯が抜けた場所から息が漏れることにより発音に支障が出ます。また、しっかりと食べ物を噛めないことで胃や腸などの消化器官への負担が大きくなったり、脳への刺激が減ることで認知機能への影響が出ることも最近の研究で明らかになっています。
失った歯を補う治療とは
このように、1本であっても歯を失った場合にはそれを補う治療が必要です。失った歯を補う治療は、大きく分けて3つあります。
・インプラント
歯を失った箇所の顎の骨に、チタン製の人工歯根を埋め込み、その上から人工歯を被せる治療方法です。もともとのご自身の歯と同じような審美性、機能性、耐久性を実現できることが最大の特徴でありメリットです。歯周病の進行などで顎の骨が不足している場合には、骨を補う治療が別途必要になることもあります。外科手術を要し、人工歯根と顎の骨を結合させるのに時間がかかるため、以下にご紹介する治療方法に比べて治療期間が長くなります。また、保険が適用されないため治療費はやや高額になります。
・ブリッジ
歯を失った箇所の両隣の歯を削って土台とし、繋がった人工歯を被せる治療方法です。治療期間も短く金属を使用したものであれば保険が適用されます。土台となる歯に人工歯が固定されているため、比較的しっかりと噛むことができ、入れ歯のような異物感もありません。ただし、両隣の健康な歯を削らなければならず、またこの歯に大きな負担がかかるため、歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。
・入れ歯
歯を失った箇所を補う着脱可能な人工歯です。失った歯が何本であっても入れ歯を選択することができます。材質などの種類によっては保険適用外になることもありますが、基本的には保険適用が可能で治療期間も短く、手術も必要ないため体力的な負担もありません。ただし、見た目や装着感に違和感が出ることが多く、噛む力はインプラントやブリッジに比べて大きく劣ります。部分入れ歯の場合は、バネをかける歯に大きな負担がかかり、その歯の寿命を縮めてします可能性があります。
まとめ
今回は、歯を失った場合に歯を補う治療をしたほうがよい理由と治療方法についてお話ししました。
当院では、患者様お一人おひとりのお口の中の状態に合わせて最適な治療方法をご提案いたします。
歯を失ったあとの治療にご不安がある方も、お気軽にかけまちコミュニティー歯科までご相談ください。