むし歯を予防するフッ素の働きと、効果的な使い方

今回は、むし歯を予防するフッ素の働きと、効果的な使い方についてお話しします。

フッ素は自然界の食品や海水中に存在する元素で、むし歯を予防する働きをもつとしてWHOも使用を推奨しています。

フッ素の働きとは

再石灰化を促進する

むし歯原因菌が産出した酸により、エナメル質のカルシウムやリンが溶け出すことを「脱灰」といいますが、唾液の働きにより溶け出したカルシウムやリンが歯に戻ることが「再石灰化」です。フッ素は、この再石灰化を助ける働きをします。特に、初期むし歯に対してはこの再石灰化が非常に大切になります。溶け出しかけているエナメル質の表層を修復できれば、それ以上のむし歯の進行をとどめることができます。

・歯の質を強くする

そもそも歯の質が強ければ、むし歯原因菌が酸を産出してもすぐにエナメル質が溶けだすことはありません。エナメル質はカルシウムとリン、水酸基から構成されるハイドロキシアパタイトでできていますが、この結晶は酸に弱い構造をしています。ハイドロキシアパタイトの水酸基とフッ素イオンが入れ替わることで、酸に強いフルオロアパタイトに変化し、安定した結晶構造になるため酸に溶けにくくなるのです。

・むし歯原因菌の活動を抑制する

フッ素イオンは細菌の活動を抑制する働きをもつため、むし歯原因菌が産生する酸を減らすことができます。

このように、フッ素には分子レベルでむし歯を予防する効果があるのです。

フッ素を日常生活に取り入れるには

フッ素の活用方法としては、全身にフッ素を取り込む「全身応用」と、歯に直接フッ素を取り込む「局所応用」があります。全身応用の方法としては、水道水へのフッ素添加やサプリメントなどもありますが日本では普及していません。局所応用には歯科医院でのフッ素塗布や、自宅でのフッ素洗口、フッ素配合歯磨き粉の使用などが挙げられます。今回は、この中でも特に日常生活に取り入れやすいフッ素配合歯磨き粉の使用方法についてご紹介します。

フッ素入り歯磨き粉の選び方

日本国内で市販されている歯磨き粉の9割以上にはフッ素が配合されており、広く普及しているといえるでしょう。これまで歯磨き粉の配合量は1000ppm以下と決められていましたが、近年では1000〜1500ppmの「高濃度フッ素配合歯磨き粉」も販売されるようになりました。フッ素の配合量はパッケージに必ず記載されているので、ぜひチェックしてみましょう。

フッ素入り歯磨き粉の効果的な使い方

今回は大人の方に向けたフッ素入り歯磨き粉の使い方をお伝えいたします。フッ素入り歯磨き粉を効果的に使用するためには、フッ素の成分をできるだけ口の中に残すということを意識しましょう。歯を磨いたあと、何度も口をすすいでしまうと、口の中に残るフッ素が少なくなり、せっかくの効果も半減してしまいます。歯磨き後のうがいは、少な目の水で5秒程度のぶくぶくうがいにとどめ、口の中にフッ素が残るようにしましょう。歯磨き後の1~2時間は飲食を控えるようにすると、フッ素をさらにお口の中にとどめておくことができるので効果的です。就寝中は細菌がお口の中で繁殖しやすくなるため、寝る前の歯磨きでフッ素入り歯磨き粉を使っていただくこともおすすめです。

まとめ

今回は、むし歯を予防するフッ素の働きと、効果的な使い方についてお話ししました。フッ素を効果的に活用することで、むし歯を予防していきましょう。

フッ素塗布をご希望の方は、お気軽にかけまちコミュニティー歯科までご相談ください。

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