知る人ぞ知る「酸蝕症」について。
あまり聞いたこともない症状かもしれませんが、該当する方は意外と多いと感じています。
「酸蝕症」とは、字のごとく酸性のもので蝕まれてしまうというもので、簡単に表すと「すっぱいものに触れすぎてしまった」という状態です。
酸性のものとは、柑橘類のくだものや胃酸が主なものです。
そんな酸性のものに日常的に歯がさらされてしまうことで、歯が病的に溶けて傷んでしまう病気をいいます。
統計的には、この酸蝕症という病気になっている人は4人に1人いると言われており、その年齢は10代から80代とまんべんなく分布しています。
むし歯や歯周病につぐ、第3の歯科疾患と言われており、近年かなり注目されているのです。
特長はまず見た目で、むし歯のように黒くはないのですが歯の表面にあるエナメル質を溶かして内側の象牙質が見えるような状態になりますので、白い歯の一部が黄色めに見えることが多いです。歯がクレーター状に凹むような形状で濃い色の象牙質が見えていたら、この酸蝕症である可能性が高いです。
また、起こる範囲も特徴的であり、むし歯や歯周病は歯磨きの行き届いていない部分からなっていくことが多いですが、この酸蝕症は広範囲にわたることが多いです。酸にさらされて起こるわけなので部分的ではなくお口の中に全体的に起こってしまいます。
そしてやっかいな点が、酸蝕症が起こると歯の防御力が極端に落ちている状態でもありますので、むし歯になりやすく進行し易いという合併症的な連鎖がおきてしまうことです。また、普段の食生活にも深く関わっているので、普段のなにげない習慣から進行を促してしまっている可能性が高いということです。
強い酸性のものの代表格はやはり胃酸です。お仕事のストレスや食生活の乱れから逆流性食道炎の方は、この酸蝕症になっている可能性も高いです。また、拒食症などの症状で嘔吐の頻度が多い方も要注意です。
健康に良いという理由で毎日レモンをかじっていたという方や、黒酢やもずく酢を毎食摂っていた方なんかも、この酸蝕症になってしまっている可能性が高いといえます。
いずれにしても酸蝕症が起こる嘔吐などの症状がある方や、酸性度の高い飲食が多い方はその習慣や病気を治すにこしたことがないと言えますので、専門のクリニックやご自身での習慣改善を図って頂きたいと思います。
