岡崎市にお住まいの方で、神経を取って被せ物治療をした方にはご説明差し上げたことのある「コア」という軸になる部分について、少し詳しく書きたいと思います。
まず、神経を取る処置をすると、歯根の中は空洞になってしまいます。なので、歯根の先に詰めるための薬剤を入れたあと、軸の代わりに立てていくのがコアと呼ばれるものです。
コアには金属製のメタルコアとグラスファイバー製のファイバーコアが主流の2つです。他にも場合によってはレジンと呼ばれる樹脂や金属をゴールド合金にしたりということがあります。
そんな主流の2つのコアですが、それぞれ特性が違うのですが、ファイバーコアというものはとってもよくできています。
分かりやすい良さは、適度な弾力性があって過度な力が加わった時に、自分の歯を巻き込んで折れてしまわないという点があります。メタルコアはイメージしやすいようにとても硬いのですが、硬い分耐えられる力の強さは歯根で支えられる強さまでです。
ちょうど、クルマの衝撃耐性と似ていて、ある程度までは跳ね返しますが、一定の強さの力が加わると凹み潰れることで衝撃を分散させるような構造となっています。
こういった衝撃耐性は、安易に考えると柔らかく弱いイメージを持たれがちですが、実は丈夫さもあるのです。
ある実験結果では、ファイバーコアとメタルコアをいれた模型に同じ衝撃を加え続けて、どちらが先に壊れてしまうかを試したものがあります。衝撃の強さは普段食事で噛む程度です。
その結果が驚くもので、ファイバーコアは50,696回耐えられたのですが、メタルコアは11,897回だったということです。
その結果、ファイバーコアはメタルコアの4倍以上の衝撃回数に耐えられたというものです。いきなりボキっと折れるわけではなく、壊れ始める初期崩壊といわれる状態までの耐久性なので、無理に続けることもできるかもしれませんが、それは理想的な状態ではありませんので、必ず治さないといけないと言えます。
また、患者さんのお口の中で治療する場合には、なるべく力(負荷)のかかる方向を考慮しているので、すぐに壊れてしまうことは少ないとは言えます。
まとめると、一定以上の強い力にはコア自体が折れて自分の歯(歯根)を守る働きをしてくれて、普段加わる負荷にはより長く耐えてくれるファイバーコアはとっても優れているということです。
これはひとえに材料自体の進化です。昔は金属でなければ人間の口の中の特殊な環境で耐えれれないものであったのに、金属を使わずに耐久性と弾力の両方を兼ね備えた材質が生まれてきたということです。
クルマや飛行機や自転車のボディーもそうですし、テニスのラケットなども同じグラスファイバーやカーボンと呼ばれる新素材を使っていますね。
素材の進化はダイレクトに我々の生活の質を上げてくれる、とっても大切なものなんですね。
