最近では、一般人の皆さまもお口に対する知識や情報が多くなり、ちょっとしたトラブルや違和感を放置せずにご相談いただくことが増えたと感じます。
特に、むし歯や事故やケガが原因で歯を失ってしまった方が欠損した部分を当たり前のように放置してしまうことが減ったと思います。
欠損部に対しては、その部分の骨にインプラントを埋入するか、両隣の歯を利用してブリッジや部分入れ歯を施すことになります。
そんな方で、手術は怖いからということで、まずは入れ歯を選択する方も多いかと思います。
これは、とっても良いことだと感じており、一番噛めるという理由だけをとらえればインプラントを第一にあげられるのですが、患者さんのお気持ちや様々な事情を考慮したうえで段階的な対処をしていくということは、合理的な選択であると思っています。
そんな入れ歯ですが、中には作ったが慣れないことで少し違和感がある、といった理由からついつい外しっぱなしにしているというお声を聞きます。
そのような方は入れ歯を入れて慣れることで良いことがあるということを、改めて知っていただき、なるべく付けて生活して頂ければと思います。
その1<噛めるようになる>
当たり前のように感じるかもしれませんが、欠損部でものを噛むということを考えると入れ歯はよい効果があります。逆に入れ歯を入れずに食事をしようとすると無意識的に欠損がなく噛める方の顎で噛むクセが付いてしまいます。人間はバランスが崩れるとカラダに変調をきたしたり、無理な負荷がかかることで将来的に負荷のかかった歯を失いやすくなるようなことにも繋がります。
「噛める」というのは、健康なお口では当たり前ですが、一度トラブルにみまわれると回復するのに大変な治療や想いをしないといけませんので、入れ歯を使うことで噛めるようになるのであれば、使うことは絶対的に良いことなのです。
その2<しゃべりやすくなる>
自分に合った入れ歯を作って使っていくと、確実にしゃべりやすくなります。もし歯を失ってしまうと空気が漏れたり舌の使い方が変わってしまって発音しづらくなることが多いです。特にサ行やタ行の発音が悪くなります。歯列を正しく治すことで発声が良くなったり、大きく歯を治療してカタチが変わることでも発音が変わることが分かっていますので、歌手や舞台俳優にとってお口の状態というのはとっても重要なことだと言えます。お仕事としてプロでやっている方は皆、とっても気を使っていることなのです。
たまに、高齢になった役者や芸能人がテレビで発音が悪い様子をみて、歯医者さんたちは「入れ歯になったが、合ったものではないのかな」と感じるほどです。
その3<見た目が良くなる>
あまり知られていませんが、入れ歯を入れるとお顔の見た目が良くなる場合があります。これは、歯ぐきや痩せたり歯を失ってしまうことで、口周りにしわがよるような現象に繋がるからです。歯が少なくなってしまった高齢者がお口をすぼめたような見た目になってしまうことは、健康な状態よりもお口の内側のものがなくなりハリがなくなってしまうからです。したがって、奥歯でも前歯でも入れ歯を入れることで本来歯ぐきがあるようなボリュームが出ることで自然と口元のしわが伸びることがあります。いきなり何歳も若く見えるといったことはよくあることです。
ご高齢者に限った話ではなく、お仕事の忙しい50代くらいから複数本の歯を失い始めてしまうと言えますので、その頃から見た目の変化が起こる可能性もあります。
よく「まだ噛めるので困ってないですよ」というようなお声を聞きますが、上記のような効果があることを知れば、1本しか失っていない状態でも入れ歯で補っておく必要はわかると思います。
今は金属が見えないことで、入れ歯と分かりづらいノンクラスプデンチャーという画期的なものもあります。
歯の抜けた欠損部を放置してしまっている方は、一度ご相談いただければと思います。
