口の傷は治りが早い

口の傷は治りが早い

 

私たちは、時間が経って見た目は変わらなくても、中身の細胞は常に入れ替わり、一定期間たつと身体の全細胞が一新されます。

古くなったり機能が悪くなった組織は分解されて(異化)、新しい細胞が作られ(同化)入れ替わる、ということを繰り返しています。

それが生きている、ということになるわけですが、この壊される細胞と新しく作られる細胞のバランスが取れていることを、難しい言葉で言うと「動的平衡」が保たれているということになります。

爪が伸びたり、髪の毛が伸びたり、というのは組織が常に作られているという事実が見た目でもわかりやすいですね。

ではその材料はどこから来るのでしょうか?

一部は古くなって壊された細胞からリサイクルされますが、多くは食べ物から取り入れています。

身体の組織はほとんどタンパク質からできているわけですから、タンパク質が十分に摂取できていないと、当然身体を健全に保つ材料が不足するので、細胞レベルで劣化していきます。

つまり壊される量が新しく作られる量より多くなります。(異化>同化)

髪の毛が細く切れやすくなったり、肌のハリが無くなったり、口内炎ができやすくなったり、アザが消えにくくなったり、、、
十分な栄養が摂取できていない場合、これらは単なる老化現象とは少し違ってくることはなんとなく想像できるかと思います。

さて、口の中の傷は、他の部分(膝や手など)の傷より治りが随分と早いことにお気づきでしょうか?
これは、口の負傷は食事が摂れなくなることにつながり、ひいては死に直結するからです。

皮膚はだいたい1ヶ月〜1ヶ月半で細胞が入れ替わるのに対して、口の組織は早いところでは約5日、遅くても2週間で全て入れ替わります。(ターンオーバー)

つまりそれだけ口の組織、歯ぐきや粘膜などは活発に入れ替わりが起こっていますので、それに見合うエネルギーや材料が必要になってきます。

ちなみに消化吸収の要、第二の脳とも言われる小腸の粘膜上皮も3〜4日でターンオーバーします。

このことからも食べること、栄養を吸収するということに非常に多くのエネルギーを我々の身体は割いている、ということが伺えます。

栄養が不足したり体調が悪くなると、口の中が荒れたり出血しやすくなったり、お腹が痛くなったりしやすいのは、代謝の活発な組織の方が材料不足が起こりやすく、新しい細胞の生成が間に合わない(異化が亢進する)ことが考えられます。

みなさん、タンパク質を十分に摂っていらっしゃいますか?

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