骨粗しょう症がある場合の歯科治療で気をつけたほうがよいこと

今回は、骨粗しょう症がある場合の歯科治療で気をつけたほうがよいことについてご紹介します。

骨粗しょう症は、骨の密度が低下して骨折しやすくなる疾患です。特に高齢者や閉経後の女性に多く見られます。骨粗しょう症が進行するとわずかな衝撃でも骨折するリスクが高まり、日常生活にも支障をきたすことがあります。これが歯科治療にも大きな影響を与えるため、慎重な対応が求められます。

骨粗しょう症と歯科治療の関係

骨粗しょう症により歯を支える顎の骨がもろくなると、歯の動揺が大きくなり、抜歯のリスクが高まります。また、歯周病が進行しやすくなり、最終的に歯を失う可能性が高まります。さらに、骨粗しょう症の治療薬には顎骨壊死(骨が壊死する重篤な副作用)を引き起こすものもあるため、歯科治療においては細心の注意が必要です。

骨粗しょう症の治療薬と歯科治療

骨粗しょう症の治療には、ビスホスホネート製剤やデノスマブなどの薬剤が使用されます。これらの薬剤は骨の代謝を抑制し骨折リスクを低減する効果がありますが、同時に骨の修復能力を低下させるため、抜歯やインプラント手術などの外科的処置を行った際に顎骨壊死を引き起こす可能性があります。そのため、歯科治療を受ける前には、医師と歯科医師の連携が重要になります。

抜歯やインプラント治療の際の注意点

骨粗しょう症の患者が抜歯やインプラント治療を受ける場合、事前に十分な検査とリスク評価を行うことが必要です。特に、ビスホスホネート製剤を長期間服用している場合、抜歯後の傷の治癒が遅れ、顎骨壊死を引き起こすリスクが高まります。そのため、可能であれば薬剤の休薬を検討することが推奨されます。ただし、休薬の判断は自己判断ではなく、必ず主治医と相談のうえで行うことが重要です。

歯周病の予防と管理

骨粗しょう症の患者様にとって、歯周病の予防は特に重要です。歯周病は歯を支える骨の吸収を進行させるため、骨密度が低下している患者様にとっては大きなリスクとなります。歯科医院での定期検診やクリーニングを受けることで歯周病の進行を防ぎ、歯を長く維持することができるでしょう。

骨粗しょう症の方に適した歯科治療のアプローチ

骨粗しょう症の患者様に対する歯科治療では、できるだけ非侵襲的な方法を選択することが望ましいとされています。例えば、抜歯を回避するために、保存的治療を優先することが推奨されます。また、義歯やブリッジなどの補綴治療を選択する際には、顎の骨の状態を考慮し、適切な設計を行う必要があります。

骨粗しょう症の予防のために気をつけたいこと

骨粗しょう症の予防には、日常生活における適切な対策が欠かせません。

・栄養のバランスに気をつける

骨粗しょう症の予防においては、カルシウムやビタミンDを十分に摂取することが重要です。カルシウムは骨の主要な成分であり、乳製品や小魚、緑黄色野菜などから摂取できます。

・適度な日光浴をする

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける役割を持ち、日光を浴びることで体内で生成されるため、適度な日光浴も推奨されます。

・適度に運動する

適度な運動を取り入れることで骨に刺激を与え、骨密度の低下を防ぐことができます。特に、ウォーキングや軽い筋力トレーニングは効果的です。

・生活習慣を整える

生活習慣の面では、過度な飲酒や喫煙を控えることが大切です。アルコールやタバコは骨の代謝に悪影響を及ぼし骨密度の低下を加速させるため、できるだけ控えるようにしましょう。

・定期的に検査を受ける

骨粗しょう症のリスクが高い人は定期的な骨密度検査を受けましょう。早期に異常を発見できれば、適切な対策を講じることができます。

まとめ

骨粗しょう症の患者が歯科治療を受ける際には、慎重な対応が求められます。骨粗しょう症の治療薬の影響を理解し、歯科医師と医師が連携して適切な治療計画を立てることが重要です。また、歯周病の予防や適切な口腔ケアを行うことで、歯と顎の健康を維持することができます。歯科治療を受ける際には、自分の骨粗しょう症の状態や服用している薬剤について歯科医師にしっかりと伝えることを忘れないようにしましょう。

定期検診やクリーニングのご予約は、ぜひかけまちコミュニティー歯科にご相談ください。 

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