歯周ポケット検査はなぜ必要?

今回は、歯周ポケット検査の具体的な内容や重要性、結果の見方などについてご紹介します。
歯の健康を維持するためには日常的なブラッシングやフロスの使用といった基本的なケアが不可欠ですが、定期的な歯科検診も同様に重要です。特に歯周病の早期発見・予防には、専門的な検査が必要不可欠です。その中でも「歯周ポケット検査」は、歯周病の進行状態を把握するための重要な検査の一つです。

歯周ポケットとは?

歯周ポケットとは歯と歯ぐきの間に存在する溝のことで、健康な歯ぐきでも多少の深さはあります。しかし歯周病が進行するとこのポケットが深くなり、炎症や歯の支持組織の破壊が進行する可能性が高まります。歯周ポケットが深くなるとプラークや歯石が溜まりやすくなり、これがさらなる炎症を引き起こす悪循環に陥ります。歯周ポケットの深さは歯周病の進行度合いを示す重要な指標となるため、定期的なチェックが推奨されています。

歯周ポケット検査とは?

歯周ポケット検査は歯周病の有無やその進行度を確認するための検査で、歯科医院で専門的に行われます。この検査では歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットの深さを測定し、歯周病の進行具合を評価します。検査は専用のプローブと呼ばれる細い器具を使って行われ、各歯の周囲を慎重に測定します。

検査の手順

  1. プロービング

歯科医師や歯科衛生士が、プローブと呼ばれる目盛りの付いた専用器具を歯と歯ぐきの間にそっと挿入し、ポケットの深さを測定します。このプロービングは全ての歯に対して行われ、各歯の周囲6箇所程度を測定します。

  1. 測定結果の記録

測定されたポケットの深さはミリメートル単位で記録されます。一般的には1~3mmが健康な歯周ポケットの深さとされ、これを超える深さが確認された場合、歯周病が疑われます。

  1. 出血の有無の確認

検査中に歯ぐきから出血があった場合、それは歯周病が進行しているサインの一つとされます。出血が見られる場合は歯ぐきが炎症を起こしている可能性が高くなります。

  1. 動揺度の確認

健康な歯は動きませんが、歯周病が進行して歯を支えている骨が破壊されると歯がぐらつくようになります。ここではピンセットを用いて歯にぐらつきや揺れがないかをチェックします。

歯周ポケット検査の重要性

歯周ポケット検査は、歯周病の進行を早期に発見するための非常に重要な検査です。歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどなく知らぬ間に進行してしまうことが多いため、定期的な検査が重要です。

検査結果の見方

歯周ポケット検査の結果は、数値によって示されます。この数値が歯周病の進行度を判断する基準となります。

・健康な状態

歯周ポケットの深さが1~3mm程度で出血もない場合、歯周病の心配はほとんどありません。この状態を維持するために、日常の歯磨きやフロスの使用に加え定期的な歯科検診を続けることが重要です。

・軽度の歯周病(歯肉炎)

歯周ポケットの深さが3〜4mmになり出血が見られる場合は、軽度の歯周病(歯肉炎)が疑われます。この段階ではまだ歯槽骨の破壊は見られませんが、早期の治療が必要です。適切なブラッシング指導や、プロフェッショナルクリーニング(スケーリング)などが行われます。

・中等度の歯周病

歯周ポケットが4~6mm程度まで深くなり歯槽骨の一部に破壊が見られる場合、中等度の歯周病が進行している可能性があります。この段階では歯ぐきの下にまで歯石が付着していることが多く、通常の歯磨きだけでは除去が難しいため、専門的な治療が必要となります。ルートプレーニングと呼ばれる歯の根面のクリーニングが行われ、さらなる進行を防ぎます。

・重度の歯周病

歯周ポケットが6mm以上深くなり歯槽骨が著しく破壊されている場合、重度の歯周病と診断されます。この段階では歯がぐらつき始めることがあり、最悪の場合抜歯が必要となることもあります。外科的治療(フラップ手術)や、場合によっては骨再生治療が行われることもあります。

まとめ

歯周ポケット検査は、歯周病の早期発見・予防に欠かせない検査です。歯周ポケットの深さを定期的にチェックすることで歯周病の進行を防ぎ、健康な歯ぐきを保つことができます。歯周病は初期段階では症状が少なく気づかぬうちに進行してしまうことが多いため、定期的な歯科検診と歯周ポケット検査を受けることが、歯の健康を守るために非常に重要です。定期検診のご予約は、ぜひかけまちコミュニティー歯科にご相談ください。 

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