今回は、口臭とストレスの関係や具体的な対処法についてご紹介します。
「なんだか口臭が気になる……」「人と話すときに距離をとってしまう」。そんな経験はありませんか?実は、口臭の原因は単に食べ物や歯の汚れだけでなく、ストレスとも深く関係していることがわかってきています。
口臭の主な種類と原因
まずは、口臭のタイプを知ることが大切です。口臭には大きく分けて次の3つの原因があります。
・生理的口臭
誰にでもある自然な口臭で、特に朝起きた直後や空腹時、緊張時などに強く感じられます。これは唾液の分泌量が減ることにより、口の中の自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすくなるためです。
・病的口臭
歯周病、むし歯、舌苔(ぜったい)など、口腔内の病気が原因の口臭です。また、糖尿病や胃腸の不調、呼吸器系疾患が関係しているケースもあります。
・心因性口臭
実際には強いニオイがない、あるいは軽度であるにもかかわらず、自分で強く口臭があると感じてしまうケースです。過度なストレスや不安、緊張が原因となり、口臭が悪化することがあります。
ストレスが口臭を悪化させる理由
ストレスが口臭に影響するのには、いくつかの要因があります。
・唾液の分泌が減少する
ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、唾液の分泌量が減少します。唾液には口の中を洗い流す自浄作用があるため、唾液が少ないと細菌が増殖しやすくなり、ニオイの元となるガスが発生しやすくなります。
・口呼吸になりやすい
ストレスが強いと、無意識に口呼吸になってしまうことがあります。口呼吸も唾液の蒸発を早めて口内の乾燥を招くため、細菌が繁殖しやすくなります。
・生活習慣の乱れ
ストレスを感じていると、食生活が不規則になったり、睡眠の質が低下したりすることがあります。これらの習慣の乱れも口臭の悪化に繋がります。
口臭とストレスの悪循環
ストレスによって口臭が強くなると、「また臭っていたらどうしよう……」という不安が生まれ、さらにストレスが増します。この悪循環により、実際には臭っていないのに、自分だけが強く気にしてしまう「自臭症」に発展することもあります。
心因性口臭の特徴として、第三者にはほとんど感じられない、もしくは全く口臭がないにもかかわらず、本人が過剰に気にしてしまう点が挙げられます。こうした場合には、口臭の治療と同時に心のケアも重要となります。
ストレス性口臭への具体的な対処法
・唾液の分泌を促す
ガムを噛む、水分をこまめにとる、口の中を軽くマッサージするなどの方法で唾液分泌を促しましょう。唾液の働きを保つことで、自然と口臭が和らぎます。
また、唾液腺を刺激する「唾液腺マッサージ」もおすすめです。耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つの唾液腺を優しく指で押すことで、唾液の流れが良くなります。
・お口の中を清潔に保つ
歯みがきや舌みがき、デンタルフロスを使って、プラーク(歯垢)や舌苔をしっかり除去することが大切です。特に舌の表面には多くの細菌が繁殖するため、専用の舌ブラシなどを使って優しく清掃しましょう。
また、歯科医院でのプロのクリーニングも定期的に受けることで、ニオイの元となる汚れをしっかり除去できます。
・リラックスできる時間を持つ
ストレスの軽減には、心身をリラックスさせることが効果的です。深呼吸や軽い運動、入浴、アロマなど、自分に合ったリラックス方法を見つけてみましょう。
また、趣味や好きなことに没頭する時間を作ることも、心の健康を保つうえで大切です。
・必要に応じて専門家に相談
口臭が気になるけれど、実際に臭っているのか自分ではわからない、ストレスや不安が強くなっている……そんな場合には、歯科医師だけでなく、心理カウンセラーなどの専門家に相談するのも選択肢の一つです。心因性の口臭や自臭症は、単なる口腔ケアでは改善が難しいこともあるため、複合的なサポートが必要になることがあります。
まとめ
口臭はデリケートな問題であり、人に相談しにくいこともあります。しかし、原因の多くはきちんとしたケアや対応で改善できるものです。特にストレスによる口臭は、心身の状態に深く関係しているため、単なる「ニオイ対策」だけでなく、自分自身を大切にすることが改善への第一歩となります。当院でも、口臭に関するお悩みのご相談を承っております。
「口臭が気になるけど、どうしたらいいかわからない」と感じている方は、ぜひかけまちコミュニティー歯科にご相談ください。