こんにちは、院長の吉田です。
またまた先週末の話ですが、土曜日におやすみをいただいて神戸は三ノ宮へ2日間の研修を受けてまいりました。
内容は包括的な審美と修復のハンズオンコースです。
虫歯の治療に対する考え方ですが、今と昔と比べると随分と変わりました。
予防の観点からすると、どのタイミングで介入するのか、静観する方が良いのかの見極めは重要になってきます。
歯を削らずに済むのであればそれが一番いいですが、中々そうもいかない状態も多くあります。
そういう場合は処置に踏み切るわけですが、人の口の中はとても繊細で、髪の毛1本挟まっただけでも違和感を覚えるようになっていますから、小さな虫歯一つを簡単に詰めているようでも結構神経使っています。
大きな虫歯になってくると歯の神経が近くなってきますし、虫歯の進行が早いタイプだと健全な歯との境界がわかりずらく、どこまで取るべきかの見極めも難しくなってきます。
普段の診療から私は10倍のルーペを使用してますが、自分の感覚を患者さんにお伝えしようとするとき、とても細かい操作になるので肉眼ベースだと上手に伝わらないことも多くあると感じています。
例えるなら、米粒に人の絵を描いてその絵の人物の表情のお話をしているような感じでしょうか。
また、昔なら虫歯をとっていく中で神経がちょっとでも露出してしまったら神経をとっていましたが、いまではMTAという材料があるので多くの神経が残せる時代になりました。
ところがこちらは保険材料ではないので、使おうと思うと自由診療になってしまいます。この辺りにいつもジレンマを感じています。
神経のない歯は、ある歯に比べ感覚が鈍くなり、歯質量も多く削られるので必然的に脆くなりますから寿命が短くなります。
昔から日本は保険制度で歯科治療してきた歴史があるので、結構簡単に歯の神経をとってくださいとお願いされることもありますし、説明なしで神経とられたとお話される方も見かけます。
歯は体の傷などと違い、一度削ったところは元に戻りません。削ったり神経をとった歯と、何もしてない歯とでは当然後者の方が長持ちします。何もせずに済むなら絶対にその方が良いのです。
僕らも皆さんも、その辺のことはあまり簡単に考えてしまわずに、ご自身の歯の価値がいかに高いものかをしっかりと認識して向き合っていく必要があります。
さて、ハンズオンコースでしたので実習もありました。
先のMTAを用いた実習と、歯科修復材料の一つ、コンポジットレジンを上手に扱う実習を行いました。
普通にやっていては中々でない光沢やツヤを出すことができたと思います。
今後も精進あるのみです。