ironman南北海道2025ランパート

高速道路を降り、木古内の町中細い道、最後のバイク道を行く。

追い越し禁止区域で、前のバイクに続いて木古内町役場近くのトランジッション2へ。

最後、意外と急な上り坂でしっかりやられて、バイクフィニッシュ。

タイムは7:01:52。目標の7時間は切れませんでしたが、多分トイレがなければ余裕でした(笑)

バイクを降りると、ガクンと足腰にきます。

やはり180kmはダテじゃないですね。

これからフルマラソンか〜と思うと、もう心が折れるかもしれないのであまり考えず、まずは目の前の1歩、1kmを目標に余計なことは考えない。

ヘルメットとバイクシューズを脱ぐ。

靴下はあまり濡れなかったので履き替えず、そのままランシューズを履き、サンバイザー、サングラス、補給食を身につけいざ最後のランへ!

腰は相変わらずマズい感じ。

ここでもしっかりとフォームを意識、腰に負担をかけないようにとにかく正しいフォームで!

足は身体の真下着地、前傾姿勢、腕振り、どんなに疲れても遅くてもいいから180ピッチ。

この辺を常に意識していくと、おや不思議、最初の10kmは結構スイスイ(といってもキロ7分前後)進みました。

このペースをあと30km維持すれば、5時間くらいでいけるか?

そう思っていた時が私にもありました。

1週14kmのコースを3周回ですが、1周目、最後の2kmは中々の上り坂と下り坂。

ここでやられていきなりペースダウン。

1周目が終わると、左手にironmanのフィニッシュゲートが見えます。

あそこをくぐることが最終目標。

身体はかなり限界に近くなっています。

腕を振らないと足が前に進まない。一生懸命振るから、今度は腕が攣りそうになるほど痛くなる。

足だけは攣らないようにBCAA、エネルギー、塩分をガンガン摂取する。

ジェルでお腹がいっぱいで、ちょいゲロになりながらも必死で拒否する胃に下す。

そんな中、早い選手はそのゲートに歓声を浴びながら吸い込まれていく。

自分でも、こんなに焦がれたことがないんじゃ無いかくらいの羨望の眼差しをフィニッシュする送りながら、ゲートを尻目に2周目に入っていく自分。

この時が一番精神的にクる場面です。

あと2周、28km。

陽は傾いてきます。が、まだライトなしでもいけるくらい。

歩き出す人が周りに増えてくる。

自分も歩きたいが、一度足を止めるとずっと歩いたり走ったりになることは、宮古島での経験でわかっているため、意地でも歩かない。

最初に決めた、エイド以外は絶対に歩かない、というのを心の誓いとして粛々と距離を潰していく。

最初はキロ7分ペースだったのが、徐々にキロ7分半、キロ8分に近づいてきます。

それでも決して歩かずに、次のエイド次のエイドを目標に淡々と走る。

いよいよ真っ暗になり、最後の1周となります。

スタッフには20時過ぎるくらいにゴールかな?とか言ってしまってましたがすでに19時20分。

あと14kmはどう頑張っても20時は難しい。

しかし連絡手段もないので、せめて1分でも早くゴールできるように歩を進めるしかできない。

2度目のフィニッシュゲートを横目に、しかし最後の1周ということで、先ほどよりは気分が軽い。

泣いても笑っても、今見ている景色はもう2度と見なくて済む、最終ラップ。

ここまでくると、色々なことに感謝する気持ちが湧き上がってきます。

このチャレンジのために時間を割くことを許してくれた家族、応援に来てくれたスタッフ、一緒に練習してくれた友人、教室の先生、丈夫な身体に生んでくれた親、大会運営、ボランティアの方々、持ち堪えてくれた天気、などなど。

同時に、自分の挑戦の可否なんて、世界から見たらほんのちっぽけなことで、僕が完走できようがリタイアしようがこの大きな世界には全く何の影響もなさない、ということが何やら可笑しくなってきます。

こんなに自身では必死になってやっているのに、世界は何も期待せずに今日もいつも通りに回り続けている。

そのことに不思議と安心を覚えました。

自分でも相当気負っていたのでしょう、それがなくなり肩の荷が降り、走りが楽になりました。

そこからは気力と、ゴールで待つスタッフのために、冷静にかつガムシャラに走りました。

最後の2km、上り坂でついに足が攣る直前までいき、ここで無理して攣るとより遅くなると判断し、最後の最後で坂だけ少し歩きました。

時間的には制限時間はまずもって問題ない塩梅。

落ち着いて足を進め、残り1km、41kmの看板を見たとき、これは確実にゴールできる!と確信しました。

その時、早くも少し感極まってしまい、汗に涙が少し混じりました。

長かった旅もいよいよ終わりです。

最後の1km。

感極まってしまった後、とは言っても1km残ってますから、フルマラソンの最後の1kmって、経験したことある方はわかると思うのですが意外と長いんです(笑)

気持ちもすっかり落ち着いた頃に、明るい町中に完全に入りました。

さあ、あとはフィニッシュロードを駆け抜けるだけ!!

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