●虫歯について
虫歯というのは、お口の細菌(プラーク)が出す酸によって歯が溶かされた状態のことを言います。長時間にわたってプラークが停滞していると、穴があきます。つまり、ブラシが届かない磨きにくいところが虫歯になりやすいのです。

磨きにくいところはだいたい決まっています。それ以外のところからはほとんど虫歯になりませんので、以下の3つの部位は毎日の歯磨きでも特に気をつけて磨いてください。
歯頚部
(歯と歯茎の境目)
ここの汚れは歯周病の原因にもなります。毛先を歯茎の中(歯周ポケット)に気持ち軽めに入れるイメージで細かく動かしましょう。一生懸命になりすぎてゴシゴシ磨くと、歯茎を痛めますので気をつけましょう。

小窩裂溝部
(奥歯の溝、上の前歯の裏側)
歯ブラシを大きく動かすと、溝の細かいところまで磨けませんので、一本一本の歯に対して小刻みに動かすと良いです。溝は歯の上の面(咬む面)だけでなく、大臼歯には頬の面にもあります。鏡を見ながら磨くと良いでしょう。

隣接面部
(歯と歯の間)
歯ブラシだけでは磨ききれない部位です。デンタルフロスや歯間ブラシを使うことが大事になってきます。
詰め物や被せ物の境目
すでに詰めたり被せたりしている歯には、修復物と歯との境界ができます。どんなに上手に処置をしても、目に見えない細菌から見たら大きな溝です。そして治療した場所から再び虫歯になることを、2次虫歯と言います。過去に虫歯を治療した、もしくはこれから治療する場合は、そこも虫歯の好発部位となりますから、よりしっかりとケアをし続けなければならないことを覚えておいてください。
虫歯は歯が酸で溶かされた状態ですが、症状や進行度、進行スピード、患者さんの現状などによって治療内容が大きく変わってきます。
虫歯が原因で





など、今すぐに処置を必要とされている方は、下記の修復治療をご覧ください。
治療の手順
虫歯治療というと、削って詰めてをイメージされる方が多いと思いますが、実はもっと大事な治療があります。それが、虫歯の原因治療です。例えば、歯を全く磨かない人の虫歯を削って詰めたとして、それで治療が終わったと言えるでしょうか?歯磨きの習慣を身につけないと、せっかく詰めたところからもっと大きな2次虫歯になることが簡単に予想できます。これを虫歯のリスクが高い状態と言います。これは極端な例でしたが、まずはご自身の虫歯リスクを知り、虫歯になる確率を減らすところから治療が始まります。
1、虫歯のリスク検査
まずは問診をさせていただきます。虫歯リスクに影響するものとして、食事内容、食事頻度、ブラッシングやフッ素利用の状況、全身状態、お薬の内服状況などが主な内容です。上記に加え当院では最新の虫歯リスク検査機を使用し、お口の細菌の出す酸の強さや、患者さんの唾液の質なども測定することができ、より詳しいデータをグラフでわかりやすく提示することができます。
2、虫歯の原因治療
リスク検査の情報を元に、患者さん一人一人の虫歯原因に対する処置やご提案をします。プラークが主な原因であればブラッシング指導や衛生士さんによる歯面清掃、食生活の問題であれば内容のアドバイスや代用食品の情報共有などです。
3、初期虫歯の治療
歯の表面にとどまっている初期の虫歯、つまり歯が溶かされ始めてはいるが穴まではあいていない状態の場合は、削って詰める必要はありません。上記の原因治療に加え、医院での高濃度フッ素の応用で初期虫歯であれば治っていきます。
4、評価と修復治療
原因治療によって、お口の環境が最初に比べて虫歯になりにくくなっているか評価します。その上で、削って詰める必要があると診断された虫歯があれば、修復治療に入ります。
5、メインテナンス
虫歯のリスクは一定ではありません。年齢や全身状態、生活環境の変化によって高くなったり低くなったりします。また、虫歯の初期は症状がありません。気づかないところで進行していることも多いです。継続的な定期検診によって、虫歯リスクの変動傾向や、初期虫歯の予後を確認できます。前回受診からの変化、というのが診断の上でとても重要になってきます。
髪の毛も、難しいところはお店で切ってもらいますよね?口腔ケアも見えないところはプロによるメインテナンスが大事なのです。

修復治療
虫歯の部位や大きさによって、最も適した方法を選択します。
虫歯が比較的小さい場合




前歯も奥歯も白いプラスチックを詰める方法が一般的です。
治療は1回で終わります。
虫歯がやや大きい場合
前歯であれば、強度がそこまで必要ないので保険の白いプラスチックを詰めることが多いです。奥歯の場合は、プラスチックでは強度不足になるので、型取りをして金属やセラミックスなどの強い材料を詰めます。その場合の治療回数は2回。




※セラミックスの場合は保険がききません。
>>自費治療一覧へ
※セラミックス治療と保険治療の違いについては、メタルフリー治療のページを参考にしてください。
虫歯が大きい場合




被せ物が必要になってきます。虫歯が神経にまで達している場合は、神経治療をしてから被せることになります。 保険適用の場合は、奥歯(大臼歯)は銀歯。手前の奥歯(小臼歯)は銀歯もしくはプラスチック冠(白いです)。前歯は銀歯の前面にプラスチックを乗せて白く見せたもの。
※セラミックスの場合は保険がききません。
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※セラミックス治療と保険治療の違いについては、メタルフリー治療のページを参考にしてください。
■神経治療が必要な場合
歯の根はとても複雑な構造をしてますので、治療にも時間と回数がかかります。 神経治療だけで2~4回程度(状況によります)。 土台の作成に1回(型をとる場合もあります)。 被せ物の型取り1回。 被せるのに1回と、治療に最低5回はかかります。
■神経治療が必要ない場合
型取りして被せるという2回の治療で終わります。