虫歯と身体の健康と糖質

虫歯と身体の健康と糖質

 
みなさんも「砂糖が虫歯の原因」と言うことはよく聞くと思いますし、特別違和感を抱かないと思います。

ただ今の虫歯が人類史上で大きく増加したタイミングが2回あります。

まず1回目は農耕が始まった弥生時代。

それまで人類は700万年もの間、狩猟採集によって生きていましたから、食べ物の大部分を穀物ではなく動物の肉や魚から賄っていました。

糖質が摂れることなんて、ほとんど無いくらいラッキーな事でした。

その頃の人類の化石には、現代のような虫歯は全くみられないんです。

農耕が始まった頃、約1万年前から虫歯が見つかり出します。

ただ、この頃の虫歯も今の虫歯と少し違って、歯の頭の「エナメル質」と言う部分は無傷で、歯の根の部分、エナメル質より柔らかい「象牙質」と言う部分に限局した虫歯です。

象牙質の方がコラーゲンを多く含んでおり、エナメル質より低い酸性度でも虫歯になりやすいです。

そして2回目に爆発的に虫歯が増えたのが18世紀頃の産業革命以降です。

この頃から精製された食品が世界的に流通し出します。

精製というのは、周りについている余分なモノを取り除く工程です。

これによって、精製された白米、小麦粉、砂糖など、白くて綺麗で美味しい食べ物が手に入るようになりました。

この精製された、要するに純度の高い糖質が、人体で最硬のエナメル質をも壊す現在の虫歯の原因なのです。

18世紀頃は、まだ一部の上流貴族だけが口にすることができたので、虫歯は「贅沢病」とか言われ、むしろ虫歯で穴が開くことがステイタスになってた時代です。

戦後、日本にも大量の精製食品が流入してきて虫歯の洪水になった時代がありました。
先にも述べました通り、我々の身体は700万年もの間、動物の肉を主食に生活してました。
たった1万年前から、穀物が主体の生活様式に変わり、糖質の摂取頻度が極端に増えました。
今の精製された食品が当たり前になったのなんて、人類史上で考えればごくごく最近のことなのです。

どのくらい最近かというと、700万年前を0時として1日(24時間)に換算しますと、穀物主体になった1万年前なんて23時20分くらいです。
産業革命の18世紀に至っては、23時59分43秒です。

我々のDNAは、穀物主体の生活様式にこんなに短期間で対応できるほど、早く進化はできません。

実は頻回に糖質を摂取している事自体、知らず知らずのうちに自分の体に負荷をかけていることになっています。

当院では一つの兆候として、それがたまたま「虫歯」という形で口の中の症状に出ているだけであると捉えています。

虫歯がある方は、かなりの確率で瞬間的、あるいは断続的な高血糖や低血糖があるということが予想されます。

これは一般的な健康診断や定期検診の項目では測り切れません。

その辺りをこれからの記事で詳しくご説明したいと思います。

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