糖尿病を歯科から治そう③

血糖値が急激に高くなると、身体はどのように反応するでしょうか?

血糖値は高くなりすぎると、様々なタンパク質が糖化を起こすので、血糖値を急いで下げようとして、通常よりも過剰にインスリンを分泌します。

これにより、今度は急激に血糖値が低下し出します。

ここで注目すべきなのは、インスリン分泌も時間差で起こるので、最大血糖値が下がり始めた頃にインスリン分泌量がピークを迎えるのです。

結果として、血糖値が下がりすぎてしまいます。

これを低血糖といい、大体食後3〜4時間頃にこの低血糖状態を迎えます。

昼食を食べた後、ちょうど夕方4時頃に低血糖になる方が多くいらっしゃいます。

ご飯を食べた後、眠たくなることはありませんか?

夕方4時頃、ソワソワしたり、無性に甘いものを食べたくなったり、手が震え出したり、頭痛がしたり、ということはありませんか?

これは、実を低血糖を起こしていることが原因である可能性が高いです。

このような食後高血糖からの低血糖、血糖値がジェットコースターのように乱高下することが、実は様々な症状を起こす引き金になってます。

 

低血糖状態というのは、我々生物としては飢餓状態と同じなので、生きるか死ぬかの危険な状態であると、遺伝子レベルでプログラムされています。

ですので身体は様々なフィードバック機構でもって、とにかく血糖値をあげようとします。

代表的なものがアドレナリンの分泌です。

アドレナリンの作用は、ご存知の通り興奮系の自律神経を刺激するものです。スポーツの試合や戦闘状態の時に多く出ます。

結果として、些細なことでイライラしたり落ち着かなかったりという神経症状が出るというわけです。

また、血圧も上がりますから、頭痛がしたり不定愁訴の原因にもなります。

 

実は健康診断での糖尿病の判定基準の「空腹時血糖」と「HbA1c」では、この血糖値スパイクの有無は拾えません。

空腹時血糖は糖尿病が進行した状態でないと異常値まで上がってきませんし、HbA1cは過去120日の血糖値の平均値を出すものですので、食後高血糖がある場合、低血糖も起こっていますので平均すると基準値内に収まってきます。

 

そして興味深いことに、糖尿病の有無にかかわらず、血糖値スパイクがある人は、ない人よりも血管系の悪いイベント(脳出血や梗塞など)が起こる確率が高くなるという報告があります。

つまり、糖尿病があってもスパイクがない人は、糖尿病ではなくてスパイクがある人より、脳梗塞などのリスクが低いということです。

 

それほど、この血糖値の急激な変化は我々の身体に良くないダメージを与えているということになります。

 

そのような血糖値スパイクがある、ということは取りも直さず、相当量の糖質が口を通して体内に入っているというわけなので、むし歯リスクも当然高くなります。

 

むし歯の穴は見えるので気が付きますが、血管の穴は見えないので気が付きません。

むし歯は身体中の血管ダメージの鏡写しです。

むし歯はあるけど身体は健康、なんていう人はいません。

ぜひ口と全身の繋がりを意識していただき、今日の食事から少しずつでもいいので見直してみませんか?

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