睡眠時無呼吸の治療
2017.11.24
遅くなりましたが週末に栄で講演会に参加してきました。
先日豆知識にも更新した「睡眠時無呼吸症候群」の治療に関する新しい技術についてでした。
歯科用CTの普及により、インプラントなどの手術に対するシミュレーションは当たり前になりましたが、デジタル技術の進歩により歯や骨といった固い組織だけではなく、気道や舌といった柔らかい組織にもフォーカスすることができるようになりました。
歯科の分野での睡眠時無呼吸症候群の治療は、口の中にマウスピースのような装具を入れてもらって寝るというものです。
目的はこの装具で下顎を前に出して、空気の通り道である気道が狭くならないようにすることです。
ところがこの装具を入れた時に、どのくらい気道が広くなっているのかを測定する方法がありませんでした。
デジタル技術が進歩したことで、CTで撮影した気道の体積を、指定した範囲で測定するソフトができたようです。
客観的に効果を判定することができるツールが増えることは、歯科医療を行う上でとてもいいことだと思います。
米国では毎年5万人以上の運転士が亡くなっているのですが、その20%が睡眠時無呼吸症候群に起因する事故だというデータがあります。
これによる経済損失は18兆円だそうです。
日本では3.5兆円ほどだと言われています。
また、スリーマイル島原発事故やチェルノブイリ原発事故も睡眠時無呼吸症候群が背景にあるようです。
夜によく眠れないだけ、ということで軽視することはできないれっきとした病気です。
我々にできることと役割をしっかりと果たす意義を再確認しました。
カテゴリ:セミナー参加
世界糖尿病デー
2017.11.14
今日はWHOが定めた国際デー、世界糖尿病デーです。
11月14日はインスリンの発見者の外科医Bantingの誕生日に当たります。
歯周病は第6の糖尿病合併症であることはご存知でしょうか?
糖尿病の患者さんは歯周病のリスクが高く、重症化傾向にあります。
また、歯周病自体が糖尿病を悪化させることがあります。
これを歯周病と糖尿病の双方向性として、10数年前の学生時代から叩き込まれてきました。
実際愛媛県の研究で、歯科の外来患者さんの血糖を測定したところ、5人に1人の割合で糖尿病の既往があったという報告があります。
歯科疾患とは切っても切れない糖尿病。
厚生労働省の2016年の調査によれば、日本の糖尿病の有病者1000万人、予備群1000万人ということで合わせて2000万人の「国民病」ともいうべき状況になっています。
高齢化とともに罹患率が高まってきている現在、医科と連携して私たち歯科医師も糖尿病に対して細心の注意を払い、歯周病治療を通して血糖値の改善に貢献していく必要があります。
奇しくも以前申請していた日本糖尿病協会の歯科医師登録医の証書が、世界糖尿病デーである本日手元に届きました。
歯周病・糖尿病の患者さんに対し、医科歯科連携を滞りなく行い、健康増進に貢献いたしますのでどうぞご相談ください。
カテゴリ:かけまちコミュニティー歯科
人気の職業
2017.11.12
13歳のハローワークというサイトの人気職業ランキングで、アクセス数を元に100位までの順位を公開しています。
この中に、歯科医師という職業は全くランクインしていないのが今の日本の現状です。
対してアメリカでは歯科医師は堂々の人気1位の職業。
今日参加したセミナーでもその話題が上がりました。
これは、歯科医師という職業の価値を社会に示し切れていない私たちにも責任があります。
もちろん、日本の歩んできた保険診療の歴史にも原因がないわけではないと思いますし、国が変われば環境も変わるので一概に何かのせいにする話でもありません。
先日、矯正治療のお話を患者さんにしている時に
「矯正器具が見えたらいじめられる」
ということを心配されているご両親がいらっしゃいました。
ところ変わってアメリカではむしろ矯正治療はステータスで、歯についている装置を見せびらかしこそすれ、隠すものではないというのが普通です。
ウォルトディスニーの映画にも子供のキャラクターに普通についているくらいです。
そんな歯科医師が人気ランキングの上位にくる国の先生方に
「あなたの医院で売っているものはなんですか?」
という質問をすると、明確な答えが次々に返ってくるというのです。
その答えは、技術でもなく、医療でもなく、もちろんキレイな歯でもありませんでした。
「Happy」を提供していると口を揃えていうのだそうです。
日本語になおすと「幸福」と少し仰々しく聞こえてしまうのですが、私自身も胸を張ってそう返答できるような歯科医師であれるように、明日からもまた頑張っていきたいと思います。
カテゴリ:セミナー参加