夏の水分補給と唾液の関係

今回は、夏の水分補給と唾液の関係についてご紹介します。

暑い夏が到来し、汗をかく機会が増える季節となりました。この時期は水分補給の重要性が高まりますが、実は水分補給は口腔内の健康にも大きく影響することをご存知でしょうか? 

夏は唾液の量が減る?
夏季は気温が上昇し、体温調節のために汗をかきます。汗の量が増えることで体内の水分が失われやすくなり、その結果唾液の分泌量も減少する傾向にあります。唾液は口腔内の健康を保つ上で非常に重要な役割を果たしているため、その量が減少することは様々な問題に繋がる可能性があります。

唾液が減ると起こること
以下のように、唾液にはさまざまな働きがあります。

・粘膜を保護する働き
・口腔内の汚れを洗い流す働き(自浄作用)
・口腔内の細菌の活動を抑える働き(抗菌作用)
・虚空内のpHバランスを整える働き(緩衝作用)
・口腔内の水分量を調節する働き(水分平衡)
・歯の再石灰化を促進する働き
・食べ物の消化を補助する働き

唾液の量が減少するとこれらの機能が低下し、次のような問題が起こる可能性が高まります。

・口臭の悪化
・むし歯や歯周病のリスク増加
・口腔内の乾燥感(ドライマウス)
・味覚の変化
・嚥下(飲み込み)困難
これらの問題を予防するためにも、適切な水分補給が欠かせません。

唾液の量を減らさないためにはどのくらい水分補給をするべき?
一般的に、成人の1日の水分摂取量は約1.5〜2リットルが目安とされています。ただし、夏季や運動時など汗をかく機会が多い場合は、さらに多くの水分摂取が必要となります。
具体的には、

・通常時:1日あたり1.5〜2リットル
・夏季や運動時:上記に加えて0.5〜1リットル増量

を目安として水分補給ができるとよいでしょう。ただし、一度に大量の水分を摂取するのではなく、こまめに少量ずつ摂取することが大切です。これにより体内の水分バランスを整え、唾液の分泌量も安定させることができます。また、喉の渇きを感じる前に水分補給をしておくことも、熱中症予防の観点から重要であるといえます。

歯のトラブルを予防するための水分補給源
水分補給の際、何を飲むかも重要なポイントです。むし歯のリスクを考慮すると、糖分や酸を含む飲料は避けるべきでしょう。例えばジュースやスポーツドリンクは、むし歯や酸蝕症のリスクを高める可能性があります。また、コーヒーなどのカフェインを含む飲料も、カフェインがもつ利尿作用によりかえって体内の水分量が減ってしまう可能性があります。したがって、水分補給源としては水もしくは麦茶がおすすめです。水は最も基本的で安全な水分補給源であり、麦茶はミネラルも補給できるため熱中症の予防にも効果的です。麦茶に含まれるポリフェノールも、抗酸化作用があるため体にも良いとされています。

まとめ
夏季の水分補給は単に喉の渇きを癒すだけでなく、口腔内の健康維持にも重要な役割を果たします。適切な量と種類の飲み物を選んでこまめに水分を摂取することは、唾液の分泌量を保ちながら、歯のトラブルを予防することに繋がります。暑い夏を健康に過ごすためにも、適切な水分補給と口腔ケアを心がけましょう。
お口の中で気になることがございましたら、かけまちコミュニティー歯科にご相談ください。

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