何が違う?むし歯になりやすい人、なりにくい人

今回は、むし歯になりやすい人となりにくい人の違いについてご紹介します。

「しっかり歯を磨いているのに、なぜか毎回むし歯ができてしまう…」という方がいる一方で、特別なケアをしていなくても、ほとんどむし歯にならない人もいます。この違いは一体どこにあるのでしょうか?

むし歯の原因は「細菌」「糖」「時間」の3つ

まず、むし歯はミュータンス菌をはじめとする細菌が糖をエサにして酸を作り、その酸が歯を溶かす(脱灰)ことで発生します。つまり、むし歯ができるためには、主に以下の3要素が関わっています。

  • 細菌(プラーク):口の中に常在するむし歯菌
  • 糖分:食べ物・飲み物に含まれる糖質
  • 時間:糖分が口の中にある時間、プラークがついたままの時間

これらのバランスが崩れると、むし歯ができやすくなります。しかし、それ以外にも体質や生活習慣、口腔環境によってリスクは大きく変わります。

むし歯になりやすい人の6つの傾向

・歯質が弱い

生まれつきエナメル質(歯の表面)が薄かったり、硬さが不十分だったりする人は、むし歯になりやすい傾向があります。これは遺伝的な要因も関係しており、自分ではどうしようもない部分です。幼少期の栄養状態や病気、薬の影響などで歯質が弱くなる場合もあります。

・歯並びが悪い

歯並びがデコボコしていたり、重なっている部分が多いと、歯ブラシの毛先が届きにくく汚れが残りやすいため、むし歯のリスクが高くなります。特に奥歯の溝や歯と歯の間は、デンタルフロスや歯間ブラシを使わないと磨き残しが多くなるポイントです。

・歯磨きしているけれど、磨けていない

毎日歯を磨いているのにむし歯になる人は、磨き方に問題がある可能性があります。力の入れすぎや、短時間で終わらせてしまう、同じ部分ばかり磨いて他の部分がおろそかになっている、というケースもよく見られます。また、定期的なプロのクリーニングや磨き方を歯科医院でチェックしてもらうことも重要です。

・糖質の摂取量が多い

むし歯菌は、糖分をエサにして酸を出します。つまり糖質の多い食事や飲み物を頻繁に摂る人は、それだけでむし歯リスクが上がるのです。お菓子やジュースだけでなく、パンやシリアル、フルーツなども糖質を含んでいます。健康志向の食品でも、実はむし歯リスクが高いこともあるので注意が必要です。

・間食が多い

むし歯は「何を食べたか」だけでなく、「何回食べたか」も重要です。間食やちょこちょこ食べをしていると、口の中が酸性に傾いている時間が長くなり、歯が溶ける機会が増えるのです。食事の回数が多い人は、歯磨きやうがいの回数も増やさなければ、むし歯のリスクは高まります。

・唾液が少ない

唾液にはむし歯菌の活動を抑え、酸を中和し、食べかすを洗い流す働きがあります。ところが、加齢やストレス、薬の副作用などによって唾液の量が減ると、口腔内の自浄作用が弱まり、むし歯ができやすくなります。特に夜間は唾液の分泌が減るため、就寝前のケアはとても大切です。

むし歯になりにくい人は何が違うのか?

一方で、むし歯になりにくい人には以下のような特徴があります。

  • 歯質が強い(エナメル質が厚い)
  • 歯並びが整っている
  • 正しい方法で歯を磨けている
  • 糖分の摂取が少ない/間食が少ない
  • 唾液が豊富でよく出る
  • 定期的に歯科医院に通っている

つまり、むし歯になりにくい体質に加えて、予防的な生活習慣を持っている人が多いといえます。

むし歯になりやすい人はどう対策すればいい?

むし歯は「できてから治す」のではなく「できないように予防する」時代です。もし自分がむし歯になりやすいと感じる方は、まず歯科医院で相談してみましょう。原因に応じて、以下のような対策をとることができます。

  • フッ素塗布やシーラントで歯質を強くする
  • 歯列矯正で磨きやすい歯並びにする
  • 歯磨き指導を受けて、正しい磨き方を身につける
  • 間食を減らす/食べる時間を決める
  • キシリトールガムや唾液促進の食品で唾液量を増やす
  • 定期的なクリーニングでプラークを除去する

まとめ

むし歯のなりやすさは、遺伝的な体質と生活習慣の両方が関係しています。しかし、多くのリスクは日々のケアと工夫で減らすことが可能です。「むし歯ができやすい体質だから…」と諦めず、プロの力も借りながら正しく予防を続けていきましょう。

「なぜ毎回むし歯になるのか分からない」という方も、ぜひかけまちコミュニティー歯科にご相談ください。

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